高速なプロジェクタと深度計測を用いた実世界の色操作


近年,プロジェクタ・カメラによって実世界を拡張する様々な応用が提案されている. 本研究では,その中でも適切な補正光の投影によって現実物体に対して色操作を行うシステムに着目する. プロジェクタ・カメラベースの見かけ操作は,既存システムにて動的な環境下においても有効あることが示されている. しかし従来手法には,補正光の投影を行うまでの遅延が大きい問題と,深度方向への運動時に色操作が難しい問題があった.

そこで,本研究では動的環境下における色操作に向けて,高速プロジェクタと深度計測を用いた手法を提案する. まず本手法では,色操作のために投影する補正投影に,瞬間的な白色投影を埋め込む.同投影像を同期した高速カメラで撮像することで,推定を介さずに対象の反射率を直接取得することができる. さらに,高速な赤外プロジェクタを用いた深度計測を組み込むことで,深度方向へ運動したときも色操作を実現する手法を提案する.




参考文献

  • 栁澤 昂輝,野元 貴史,角野 究,上田 晋寛,加瀬部 秀訓,山下 徹,湯浅 剛,天野 敏之,渡辺 義浩:高速プロジェクタ・カメラとリアルタイム3次元計測を用いた実世界の色操作,第62回 複合現実感研究会,MR2021-6,2021.SIG-MR賞
  • 栁澤昂輝, 野元 貴史, 渡辺 義浩: 高速プロジェクタ・カメラを用いた動的環境下における見かけ操作の基礎検証, 第60回 複合現実感研究会, 2020.