動的光線場照明のキャリブレーションの効率化とその制御応用


Dynamic Projection Mapping (DPM)は動的対象の表面に映像を投影し視覚的印象を変える技術である.違和感のない体験には応答遅延を数ミリ秒以内に抑える必要があり,対象認識・映像生成など,複数の処理を高速に処理する必要がある.一方,DPMは高いコントラストが得られる暗環境を前提に発展してきた.しかし,暗環境では投影対象のみが明るく,周囲が視認困難となる.また,投影映像が自ら発光しているように見え,不自然な印象を与える.

そこで,明環境下でのDPM の需要が高まっている.しかし,周囲の照明が明るいと投影映像のコントラストが低下する課題がある.これに対し,明環境Projection Mapping(PM)の実現に向けた複数の手法が提案されている.例えば,光線場を制御する照明を用いることで,静的な投影対象への入射光を選択的に遮断しつつ周囲の明るさを確保する手法が提案されている.具体的には,照明として大開口プロジェクタやインテグラルフォトグラフィを用いた手法である.さらに,動的な投影対象に対して,高速に光線場を制御可能な手法が提案されている.しかし,知覚可能な遅延が生じることが課題として残されている.また,従来手法では光線場のキャリブレーションに所要する時間が長い課題もある.

そこで本稿では,光線場のキャリブレーションに関して,高い精度を維持しながら,所要時間を短縮する手法を提案する.また,通信接続された複数の計算機による分散処理によって明環境下での動的投影の低遅延化を図った.加えて,光線の空間制御の自由度を高める応用として,対象表面全体ではなく,その表面の所望の領域のみに選択的に光線を照射する手法を検討した.




参考文献

  • 峯村 慧,新 敏弥,渡辺 義浩:動的光線場照明のキャリブレーションの効率化とその制御応用,第31回日本バーチャルリアリティ学会大会,3A2-04,2026.