通常のプロジェクションマッピングでは両眼視差が呈示されておらず,鏡面反射成分を持つ素材や,投影対象の内部に物体が存在する状況など,投影対象の表面と異なる奥行きの視差を持つ投影像の表現が不十分である.また,視差を呈示できるシステムは先行研究で提案されているものの,デバイスの着用が必要であり,プロジェクションマッピングの利点が損なわれている.
本研究では,投影対象の表面にパララックスバリアの構造を作成することで,裸眼立体視プロジェクションマッピングを行うことを提案する.最終構想に向けて,まずは単純な立体形状を対象として, 同表面に沿う曲面型パララックスバリアの設計方法を報告した.また,Blenderを用いた投影シミュレーションにより,本設計手法によって作成されたバリアにおいてクロストークがほとんど発生しないことを確認した.


参考文献
- 村田 有生喜,渡辺 義浩:裸眼立体視プロジェクションマッピングのための曲面型パララックスバリアの検討,第30回バーチャルリアリティ学会大会,3A1-07,2025.