本研究では，高速かつ遮蔽に頑健で，単一の白黒カメラで実行可能なマーカベースの3次元トラッキング手法を提案する．本手法は，Deformable Dot Cluster Markerの拡張版である．本提案では，任意の3次元形状に対して自動的に マーカをデザインする方法や，高スループットかつロバストにトラッキングを達成する方法を新たに設計している．
さらに，本トラッキング手法を 高速なプロジェクタと連携させ，ミリ秒オーダの高スループット・低レイテンシで3次元トラッキングとプロジェクションを実行するシステムを構築した． このシステムの応用例として，運動する物体に整合するマテリアルの再現(動的質感/TransMaterial)を実証した．このデモンストレーションを通して，高速なトラッキングとプロジェクションがもたらす動的質感が，裸眼での仮想的な質感認知の没入感を飛躍的に高めることが分かった．
参考文献
- Yoshihiro Watanabe, Toshiyuki Kato, Masatoshi Ishikawa: Extended Dot Cluster Marker for High-speed 3D Tracking in Dynamic Projection Mapping, IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality (ISMAR2017) (Nantes, 2017.11.11), pp. 52-61, 2017.