液体可変焦点レンズと高速プロジェクタを用いたダイナミックフォーカシング投影



プロジェクションマッピングを始めとした投影型の拡張現実(Spatial Augmented Reality) の応用では,非平面かつ動的に運動する物体への投影が求められている.このようなニーズに対し,既存のDMDプロジェクタは被写界深度が浅いため,大きく奥行きが異なる面へ投影した場合,画像がぼけてしまう問題を抱えていた.

本研究では,このような要請にこたえるために,被写界深度を広げる液体可変焦点レンズと高速プロジェクタを用いたダイナミックフォーカシング投影を提案する. 本システムは,液体可変焦点レンズを含む光学系と高速プロジェクタから構成される.異なる奥行きの面へフォーカシングするように,焦点距離を変化させながら,同期して映像を投影する. この焦点制御と映像投影を高速化することで,異なる奥行きに同時にフォーカシングしているような投影を実現する. 実験では,システムからそれぞれ奥行き1.3m,奥行き1.0m,奥行き0.6mに投影面を設定し,全焦点画像投影を実現した.




参考文献

  • 徐 鴻金, 王 立輝, 渡辺 義浩, 石川 正俊: 液体可変焦点レンズと高速プロジェクタを用いたダイナミックフォーカシング投影の基礎検討, 第24回日本バーチャルリアリティ学会大会, 3C-09, 2019.