
現実の物体を実際に近い形状や質感で提示するディスプレイは,デザイン産業などでの応用が期待できる.これまでに,実物体をスクリーンに直接配置することで,物体表面の微細な幾何構造であるテクスチャを提示するディスプレイが提案された.一方,同手法では配置された実物体によって提示されるテクスチャの種類が限定される.そこで,時間統合的にスクリーンに配置された素材を重ね合わせることで空間的に配置可能な素材数に制限がある中でも多数のテクスチャを提示する手法を提案する.そのために,画像群から主要な特徴を持つ少数の基底画像と重みを抽出する基底抽出においてテクスチャ画像に特化した画像類似度指標を用いる手法を提案する.検証では既存手法と比べ,多数のテクスチャ画像を再構成できることを確認した.


参考文献
- 湯蓋 康平,渡辺 義浩:多数のテクスチャ提示が可能なマテリアルディスプレイのための基底抽出手法の検証,第75回複合現実感研究会,MR2025-6,2025