自分自身が納得できるメイクの色を見つけ出すプロセスは,化粧品を選ぶ際のユーザー体験を向上させるために重要です.例えば,バーチャルメイクはさまざまな化粧を手軽に試す手段として普及し始めていますが,専門知識を持たない一般のユーザーが,数多くの選択肢の中から自分好みの色を選び出すことは困難でした.
そこで本研究では,ユーザーが思い描く「印象」の言葉をガイドとして,自身の好みに最適なメイクの色を見つけるインタラクティブな探索手法を提案しました.この手法では,まず音声や音声で入力された抽象的な「印象語」から,実際の化粧品データに基づいた適切なメイク色の候補を自動生成します.
さらに,その候補色によるメイクをダイナミックプロジェクションマッピングによってユーザーの顔に直接投影し,提示された選択肢から好みのものを対話的に選ぶだけで,ユーザーの潜在的な好みの色へと効率的に導く手法を導入しました.ユーザー体験を分析する被験者実験の結果,提案した手法によって,より効率的かつ簡単に好みのメイク色を探索できることが実証されました.本研究の成果は,これまで時間を要していた化粧品選びを,実際にメイクを試す工程を伴いながらも,自由な自己表現と効率的な探索を両立したプロセスへと発展させるものと期待されます.




参考文献
- Kemeng Zhang, Hao-Lun Peng, Yoshihiro Watanabe: Impression-Guided Interactive Personalized Color Exploration Framework for Dynamic Projection Mapping Makeup, International Journal of Human–Computer Interaction, pp. 1–23, doi: 10.1080/10447318.2025.2599521 (2026)