ダイナミックプロジェクションマッピングを用いて,化石などの実際に存在する物体を再現することは,教育現場などでの応用が期待できる.しかし,従来用いられているレンダリング手法では,物体表面の光学的特性などの計測が必要となり,時間がかかる上に,正確な計測が難しい問題がある.一方,写真からシーンを再構成し,任意の視点からのレンダリングが可能な手法として,近年3D Gaussian Splattingが注目されている.3D Gaussian Splattingはイメージベースの手法であり,物体表面の計測を必要とせずに,再現を行うことができるため,同手法をダイナミックプロジェクションマッピングを利用することに着目する.しかし,ダイナミックプロジェクションマッピングと3D Gaussian Splattingでは,レンダリング方法と物体と光源の相対位置がそれぞれ異なる問題がある.そこで本稿では,前述のレンダリング方法の違いに対処するため,3DGSの適切な視点位置を計算する手法を提案し,その効果について検討した.また,物体と光源の相対位置の問題に関して,入力画像の撮影方法を変更することで解決されることを確認した.


参考文献
- 郡山 颯斗,渡辺 義浩:3D Gaussian Splattingを用いたダイナミックプロジェクションマッピングに関する検討,第75回複合現実感研究会,MR2025-4,2025.