広視野かつ省スペースを実現する曲面ミラーを用いた投影式インテグラルフォトグラフィ


省スペースの構成で大きな視野角を実現する,投影式のインテグラルフォトグラフィを提案する.従来の手法では,レンズアレイ後方に複数台のプロジェクタを放射状に配置する必要があった.この結果,システムは大きなスペースを必要とした.そこで我々は,曲面ミラーの合わせ鏡を応用する.レンズアレイの真後ろにプロジェクタを設置し,プロジェクタからの光線を取り囲むように曲面ミラーを設置する.合わせ鏡の間で,複数回の反射を経てレンズアレイに向かう光の入射角は大きくなる.これによって全体の入射角の範囲が大きくなり,視野角が大きくなる.また,レンズアレイに対して斜めの位置にプロジェクタは設置する必要がない.これによって省スペースな系を得る.提案手法によって,レンズアレイの後方に一台のプロジェクタを設置したシステムで,±60°の視野角を実現できることを示した.

本研究は,東京大学 石川グループ研究室,東京工業大学 渡辺研究室との共同研究の成果である.


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参考文献

  • Masahiko Yasui, Yoshihiro Watanabe, and Masatoshi Ishikawa: Wide viewing angle with a downsized system in projection-type integral photography by using curved mirrors, Optics Express, vol. 29, No. 8, pp. 12066-12080 (2021)
  • 安井 雅彦,渡辺 義浩,石川 正俊:インテグラルフォトグラフィ型システムの省スペース化のための鏡を利用した投影に関する検討,映像情報メディア学会 情報ディスプレイ研究会, vol. 42, no. 35, IDY2018-41, 2018.